「AJCクリエイターズコンテスト2023」アートジュエリー「悠久~天地自然に寄せて~」制作話

   

制作しながら思ったことを書いてみました。



 私の創作のテーマに、北欧、音楽、自然があります。

 

音楽をテーマにした先の作品「音のきらめき」を作り終えたとき、次はいよいよ自然をテーマにした作品を作りたい!と思いました。


これも以前から作ってみたいと思っていたものでした。

自然から来るイメージは、太古の昔から生々流転の世の中で、美しく存在しているもの。


空を見上げると、無数に輝く星だったり、大地には色とりどりの花が咲いていたり、森には青々と木の葉が茂っていて、動物がいて、湖もあって~そんな光景を表現してみたいと思いました。 


 また、今回は立体感のある作品にしたかったので、今までとは全く違った作り方に挑戦しました。 


 

★本体 メインの薔薇の花について。 

お花の代表とも言える薔薇の花は憧れでもあり、いつかこの美しさを作品にしてみたいと思っていました。 


どうやったらその美しさをビーズで表現できるのだろう?と長年試行錯誤を繰り返し、 薔薇の花の形を追及してきました。 その集大成と言える形です。


薔薇は、裏側には金具は使わず、シードビーズで一つ一つ土台から作っています。

その土台に、テグスでシードビーズとスワロフスキービーズで組み上げています。

 

作り方は幾つかありますが、スワロフスキークリスタルを使うのは譲れないところで、

薔薇の輝きを表現しました。 


花の色の微妙な違いも表現したかったので、色は赤~ローズピンクのグラデーションにし、 遠近感を出すために、薔薇の大きさを変えて組んでいます。


出来上がった 薔薇を、アーチのような形にするため、裏側は蔓の様に何本もの、ビーズを通したワイヤーで編んでいます。 

薔薇の花が空に向かって無数に咲き誇る様で、大地の力を表しています。


材料:スワロフスキークリスタルビーズ、シードビーズ、

技法:テグス編み 


★蝶々 

生命力の象徴として、蝶々を作りました。

譲れなかったのは、本物の蝶に見えるようなものにしたかったこと。 


何回か試作しましたが、どれもおもちゃに見えてその度にがっかり💦。 これはなかなか手強いなぁ、と思い実際の蝶を調べるところからはじめました。


 アゲハチョウとモンシロチョウを作るのは決まっていたので、先ずは羽の形と模様をスケッチ。 それを見ながら、ペヨーテステッチの設計シート(オリジナル)に書き写していきました。


アゲハチョウは模様が複雑なので、図に落とし込むのは苦労しました。それっぽく見えるとよいなと思います。


最後にもう一つ蝶を入れたくて、調べていたら綺麗なブルー系の蝶に一目惚れ。 こちらは微妙な色の変化があるので、グラデーションで作ることにしました。


それらをビーズで作りながら、更に羽の形を何回か修正しながら・・・イメージ通りの形にするには思った以上に大変で、時間もかかり「うゎ、たいへん」と思いながら作りましたが、何とか出来てホッとしました。 胴体はフエルトにビーズを縫い付けて、羽は4枚を1組みに合わせて胴体に縫い付け、 作っています。


材料:デリカビーズ、アーティスティックワイヤー

技法:ペヨーテステッチ


 

フリンジ 

生命をつなぐに必要な「水」を入れたくて、フリンジで表しました。 イメージとしては湖です。

波紋と水しぶきのイメージで、ガラスビーズと水晶、パールで表現しました。 


 

★チョーカーについて。 

大地と対となる天空と、天体を表現しています。 太陽・地球・銀河につて これらはワイヤーで、天然石のチップや特小天然石ビーズを編み込んで作りました。 


 *太陽 

サンストーンを使いました。石の中に独特のキラキラした輝きがあり、石自体が輝きを放っているように見えるので、太陽の象徴としてはぴったりだと思いました。


* 地球 

地球は水の星とも言われますのでターコイズのブルーと、エメラルドの原石で緑の大地を表現しました。



*銀河 

銀河で一番に思い付いたのは、天の川。無数に集まった星を、パール、ラピスラズリ、 サファイア、アメジスト、ホワイトトパーズ、水晶等、天然石の特小ビーズで表現しました。 


 *龍について 

 二体の龍は、天と地のエネルギーの象徴として作りました。 天のエネルギーを表しているのは、オレンジ~紫のスワロフスキークリスタルで作った龍です。 


 イメージしたのは、空に燦々と輝く太陽と、日没に向かうに連れて刻々と変化していく、空の美しさです。 地のエネルギーを表しているのは、グリーン~ブルーのスワロフスキークリスタルで作った龍です。 イメージは、大地の緑と、水です。 



 最初にデザイン画を描いた後は、ひたすらパーツ作りで、その後、全体の形を組み上げるのですが、今までの作品の中で一番難しく苦労しました。 チョーカーと本体と2つに分けることで、収まったと思います。 


何だかんだで、かなり冷や汗ものだったけど、何とか理想の形になって、やり切れて良かったです。 今回、クリエイターズコンテストに参加して実感したことは、芸術は何て自由な世界だろう!と言うことでした。そして、何て楽しい世界だろうと。


展示会場で、多くの素晴らしい作品に触れて、今まで自分の中にあった作品作りへの固定観念がパーン!と無くなった気がしました。 

そして、次の作品ではもっと自由に表現してみたいと思いました。   

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