Story キラキラ光る ~シードビーズ~
ビーズの歴史とシードビーズについてのお話です。
作品を作るに連れて、知らなかったビーズが次々と目に付くようになりました。
世の中一体どれだけの種類のビーズがあるのだろう?と思い、全種類を把握したくて、ビーズについて調べたときのことでした。
思いがけず、深い⁉ビーズの歴史を知ることになりました。
「ビーズ(bead)」の語源は、アングロサクソン語の「bede = 祈る人」からきていると言われています。ビーズの起源は大変古く、人類誕生の歴史まで遡るそうです。
アフリカで7万5千年前の地層から、小さな貝殻で作られたビーズが見つかっています。(そんな時代からあったなんて驚きました。)古代人は貝、木、動物の骨、サンゴなど、”自然素材のビーズ”を使っていたそうです。
紀元前4000年頃にはエジプトやメソポタミアで、粘土、陶器、金、銀、パール、天然石のビーズなど大量に作られ、交易品として世界に流通していき、世界中のあらゆる民族に広まりました。
“ガラスビーズ”が作られるようになったのは紀元前16世紀頃のメソポタミア地方。
紀元前15世紀頃にはエジプトでもガラスビーズが作られるようになり、技法も進化して、近代最も多く使われている“ガラスビーズ”の文化が始まったのだそうです。
古代エジプトでは、ガラスは王族のためだけに作られていた時期もあったとか。
装飾品は地位や富の象徴でもありました。
また、ビーズの首飾りは魔よけや吉祥、幸運、長寿の願いを託されたものでもあったと言うことす。
(参考文献、引用:SEED BEADS BIBLE シードビーズがわかる本 水野久美著/TOHOCO,,LTD.)
(参考文献、引用 :ロイアルビーズワーク Beadwork with Yusai 聖光院有彩著)
これらの事を知ったときは目から鱗で、ビーズに対する印象がガラッと変わりました。ビーズは単なるアクセサリーの材料ではなかったのだと、とても感慨深いものがありました。
ビーズは長い歴史や文化、人々の祈りを経て現在にまで繋がっているのですね。
私のビーズとの出会いは、小学5年生のとき母がくれた1袋のビーズキットでした。
いろんな色が入っていて、ワイヤーで何種類かの虫や魚が作れるものでした。
説明書と睨めっこしながら夢中になりました。
今思えば「シードビーズ」と言うガラスビーズだったのですね。
そんな、馴染みの深いシードビーズ。
「シード(Seed)」は「種」と言う意味で、言葉の通り、僅か2ミリ、3ミリの小さなビーズです。色も形も多種多様です。
他のビーズと組み合わせるときは、1ミリの大きさの違いでも、作品の出来上がりの印象が左右されるので、最小サイズでも“力”は大きいな~と思っています。
シードビーズにも長い歴史があります。
シードビーズを使ったビーズワークは、紀元前の時代から世界各地で作られてきたテクニックで、現在も何種類もあります。
その中で私がとても興味を持ったのは、“ビーズステッチ”や“ビーズ織り”と言われるテクニックです。
針と糸で2ミリ、3ミリのビーズを一粒ずつ通しながら、その都度模様を編んだり、絵柄を折り込んだりと、緻密な作業を繰り返しいきます。
“ビーズ織り”で、何か月もかけて作られたタペストリーやバッグを見たことがあります。
生地に例えると、ゴブラン織りのような印象でしょうか。
遠くから見ると、その色彩は一枚の絵画のようでもあり、それはそれは美しくて
「細部に神は宿る」と言う言葉を実感した、本当に素晴らしい芸術作品でした。
そのような大作には及ばずとも、自分でデザインしたものをペンダントにしたい!と思った瞬間でした。
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